道の駅「おおゆ」(湯の駅おおゆ)公式ホームページ

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JOMON OYU World Cultural Heritage

湯の駅おおゆ 縄文特集

縄文 おおゆ

なぜ、縄文文化が
世界に評価されたのか?

氷河時代が終わり、温暖化が始まったのが今から約1万5,000年前。日本列島は、現代と同じような自然環境が誕生したと考えられています。

それまでの「旧石器時代」は過酷な環境での生活を強いられることから遊動生活が行われていましたが、温暖化により人々は定住生活をするようになりました。こうして始まったのが、縄文時代。その後約1万年以上にわたって続いたとされる奇跡の時代です。

日本国内で、縄文時代の遺跡の多くは東日本に残されています。これは気候やそこに生きる植物から考えると、住みやすかったからと推測できます。なかでも「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、縄文時代の人々の生活や精神文化をうかがい知ることができる遺跡が多いのです。

縄文時代、人々は自然を敬い、自然に寄り添い、感謝し、助け合いの精神を持って生活していたと見られています。それらは、私たち日本人が大切にしてきたものに通じています。ものに感謝し、大切にするという日本人精神の礎は、はるか昔縄文時代に生まれたものなのではないでしょうか?

縄文時代の人々の暮らしを知ることは、私たちのルーツを知り、私たちの大切なものを改めて見つめ直す機会になるはずです。そして、縄文文化が「世界文化遺産」に登録されたということは、この現代において世界から見ても「素晴らしい」「残すべき大切なもの」であると評価されたということになるのです。

狩猟する縄文人

世界文化遺産
「北海道・北東北の縄文遺跡群」

北海道・北東北の縄文遺跡群

北海道・北東北の縄文遺跡群は、津軽海峡を挟んだ日本列島の北海道・北東北に位置し、縄文時代の各時期(草創期、早期、前期、中期、後期、晩期)における、人々の生活跡の実態を示す遺跡(集落跡、貝塚、低湿地遺跡)や、祭祀や精神的活動の実態を示す記念物(環状列石、周堤墓)で構成された17遺跡からなる考古学的遺跡群です。縄文時代を彷彿とさせる植生や地形など、豊かな自然環境が保全されている遺跡が数多くあり、また、周囲のガイダンス施設や資料館では、発掘調査の状況や、縄文人の傑作とも言える土器や土偶などの遺物が数多く展示されています。

現代人が学ぶべき、縄文の精神。

縄文 SDGs

1
自然を知ることが、最良の防災。

東日本大震災による津波で、被害の大きかった太平洋沿岸の地域に残されている縄文時代の集落は、ほとんどが津波の被害を免れています。多くは水はけが良く、地層が安定している高台で、日当たりの良い南向きの平坦またはゆるい傾斜地に存在しています。自然を良く知ることで、より豊かで快適で、安心・安全に暮らせる場所を探すことができたと考えられます。

2
環境への負荷がない輸送の仕組み。

縄文時代には、木の幹をくり抜いてつくった「丸木舟」を使い、物資の運搬を行っていました。長さは6~7m、幅は60cmほどの大きなもの、それよりも小さいサイズのものも含めて全国で100の遺跡から数多くの丸木舟が見つかっています。長距離の移動にも使っていたとされ、動力を使わず、水の流れに大きなものを乗せて運んでいたと考えられています。

3
上下関係や差別がない、
「誰一人取り残さない」世界。

縄文時代の集落には、墓地広場が中心になっていることが多く、その周りに住居跡が見つかっています。また、特別に区分けされたエリアが存在しないこと、財産を副葬した墓地がないことなどから、権力者がいなかったと考えられています。また、障がいを抱えていたであろう人骨が丁寧に埋葬されていたことから、差別もない社会だったと考えられています。SDGs!

特別史跡
大湯環状列石の魅力に迫る

世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」に含まれる大湯環状列石の魅力を簡単にご紹介しましょう。

大湯環状列石は縄文時代後期(今から約4,000年前)に造られたとされる、大型の環状列石。昭和6年、大きな沼から水を引いて田んぼを整備するための工事の際に発見されました。

大湯環状列石は河原石をひし形や円形に並べた組石の集合体が二重の輪になって配置された配石遺構です。外側の輪と内側の輪の間には、一本の立石を中心に細長い石を放射状に並べた「日時計上組石」があります。実は、この二重の輪と日時計が2組存在しており、ひとつは最大径が52mの「万座環状列石」、もうひとつは少し小さく最大径が44mの「野中堂環状列石」です。この2つの環状列石の大きい輪の中心と日時計の中心(4つのポイント)は一直線上に並んでいて、その直線は、夏至の太陽の沈む位置を指していることがわかっています。

当時、大湯で暮らしていた人々は、季節を把握するために夏至の太陽の沈む位置を知る必要がありました。この場所は太陽の位置を知るのに適した場所だったのでしょう。

自然を敬い、寄り添い、豊かな暮らしをしていた縄文人たちの生きる姿を垣間見ることができるのが大湯環状列石の魅力。さらなる大湯環状列石の魅力を深堀りするために、ぜひ現地に足を運んでみましょう!

縄文時代の男女

道の駅おおゆから
大湯環状列石はすぐそこ!

大湯ストーンサークル

大湯環状列石(大湯ストーンサークル館)

〒018-5421 
鹿角市十和田大湯字万座45番地 
TEL:0186-37-3822

開館時間:9:00〜18:00
(11月〜3月は〜16:00)

休館日:月曜(月曜日が祝日・休日の場合は翌日以降の平日)、12月29日〜1月3日